あるところにメロンパンが住んでいました。
メロンパンの夢はメロンになることでした。
メロンパンはどうやったらメロンになれるのか研究しました。
まずは見た目からです。見た目の色をメロン色にしてみました。
あの緑っぽい白の混ざった色です。
あみあみの白い線の模様は割愛しました。
でもあんまり緑っぽいとおいしくなさそうだったので、(なんだか人工的な感じで)、少し黄色寄りにしておくことにしました。
なぜって、本物のメロンは皮を食べないからです。
中身の色も緑なんですが、メロンパンの目指していたのは夕張メロンでしたから、中身は黄色なんです。
それで、黄色っぽい色にしてみました。
これで外側の色については決定です。
まあ、何色の洋服を着るかみたいなものですね。
次には中身です。
メロンの中身は食べると溢れ出してくるあまーいあまーい果汁がたっぷりです。
果肉もたっぷりでなんとも食べ応えがあります。
メロンパンは考えました。
「果肉感と果汁感、どっちが大切だろうか」
出した答えは果汁でした。
目指すは完熟状態の夕張メロンだったのです。
でも、パンがぐちゃぐちゃになるような汁ではいけません。
思いついたのはシロップでした。
メープルシロップをうちがわにいれることにしたんです。
これでジューシー感を出そう。
メロンを噛んだ時の果肉感をメロンパンの外側の皮で、果汁を中のメープルシロップで、その対比を出すための内部の空洞。
そう、メロンパンくんが目指したのは行き着くとこ、メロンを食べた時の感動でした。
メロンになるのではなく、メロンを美味しいって感じる感動、それをメロンパンとしてのやり方で伝えることにしたんです。
そんなメロンパンが好きなんですね。
違ったやり方でメロンを目指しているメロンパンさんたちもたくさんいます。
それはまた別のお話で。